情熱的愛と友愛的愛と恋愛
Passionate vs Companionate Love
恋愛には生理的覚醒を伴う「情熱的愛」と、深い愛着・信頼に基づく「友愛的愛」の2種類があり、時間とともに前者から後者へ移行するという理論
4コマまんがで理解する「情熱的愛と友愛的愛」

定義
恋愛を、強い生理的覚醒と没頭を特徴とする「情熱的愛」と、深い信頼・愛着・親密さを特徴とする「友愛的愛」の2種類に分類する理論。
メカニズム
代表的な実験
情熱的愛尺度(PLS)の開発と妥当性検証
Journal of Adolescence, 9(4), 383-410
情熱的愛の文化横断研究
Personal Relationships, 2(1), 29-46
エビデンスの強さ
Hatfield & Sprecher (1986) のPLS研究では、恋愛中/非恋愛中の弁別効果量は d = 1.2 以上(大)。Sprecher et al. (1995) の文化横断研究では、交際期間と情熱的愛の負の相関は r = -.20〜-.30(3文化共通)。Acevedo & Aron (2009) のメタ分析では、情熱的愛と関係満足度の相関は r = .56、友愛的愛と関係満足度の相関は r = .32で、情熱的愛が減退しても維持されている長期カップルの満足度が最も高かった。
恋愛での活用パターン
交際1年目の「ドキドキが減った」時期
情熱的愛の減退は神経化学的に正常なプロセスだと理解し、代わりに友愛的愛(安心感・信頼の深まり)の成長に注目する
長期関係での情熱の再活性化
2人で新しい体験を共有する(旅行先を変える、一緒に新しい趣味を始める、いつもと違うデートをする等)
友愛的愛の意識的な構築
日常の中でパートナーへの感謝を言語化し、身体的な接触(ハグ、手をつなぐ等)を意識的に維持する
やりがちな間違い
情熱的愛の消失を関係の終わりと判断
「もうドキドキしないから好きじゃなくなった」と早期に関係を終了する
友愛的愛の軽視
「ドキドキしない愛は本当の愛じゃない」と友愛的愛を二流の愛として扱う
情熱の維持をパートナーに要求
「もっとロマンチックにして」「付き合い始めの頃のようにして」とパートナーに情熱の演出を強要する
適用の限界
情熱的愛から友愛的愛への移行は不可逆的ではない。Acevedo & Aron (2009) の研究では、20年以上の長期関係でも情熱的愛を高いレベルで維持しているカップルが存在し、彼らの関係満足度が最も高かった。ただし、これは初期の「のぼせ」とは質的に異なる「成熟した情熱」であり、不安やオブセッションの要素は低い。情熱的愛の減退速度には個人差・文化差があり、新奇な共有体験の導入で減速できる。友愛的愛が十分に発達しないまま情熱が減退すると、関係の空洞化が起こる。
参考文献 (2件)
- Walster, E. & Walster, G.W. (1978). A New Look at Love. Addison-Wesley.
- Hatfield, E. & Sprecher, S. (1986). Passionate Love Scale: Measuring the Experience of Being in Love. Journal of Adolescence.
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