ヘドニック・アダプテーションと恋愛
Hedonic Adaptation
良い出来事にも悪い出来事にも人は慣れ、幸福度が元のレベルに戻る心理的・神経的傾向
4コマまんがで理解する「ヘドニック・アダプテーション」

定義
ポジティブまたはネガティブな環境変化に対して、人間の幸福度が変化前の基準レベル(セットポイント)に向かって回帰する心理的・神経的適応プロセス。「ヘドニック・トレッドミル」とも呼ばれる。
メカニズム
代表的な実験
宝くじ当選者と事故被害者の幸福度研究
Journal of Personality and Social Psychology, 36(8), 917-927
結婚と幸福度の長期追跡
Journal of Personality and Social Psychology, 84(3), 527-539
エビデンスの強さ
Lucas et al. (2003) の結婚研究では、結婚による幸福度の上昇は約2年で基準線に回帰した(効果量は時間とともにゼロに接近)。Brickman et al. (1978) では、宝くじ当選者の幸福度4.00 vs 対照群3.82(5点スケール、差は有意ではなかった)。Diener et al. (2006) の大規模パネル分析では、幸福のセットポイントの変動は人口の約24%で観察された。
恋愛での活用パターン
関係のマンネリ感への対処
「パートナーとの関係で、今もし初めてだったら嬉しいこと」を週に1つ書き出す(感謝ジャーナル)
新奇な共有体験の導入
3ヶ月に1回は二人とも初めての活動(料理教室、ハイキング、美術展など)に挑戦する
初期の情熱の減衰の受容
「ドキドキしなくなった」を「安心できるようになった」とリフレーミングする
やりがちな間違い
永遠のドキドキの追求
関係初期の興奮が維持されることを期待し、減衰を「愛の終わり」と解釈する
刺激の過剰投入
マンネリを恐れて常に豪華なデート・高価なプレゼントでドーパミンを維持しようとする
感謝の消失の放置
パートナーの日常的な貢献(家事、気遣い、仕事)を「当然」として無感覚になる
適用の限界
全ての経験に同等の適応が起きるわけではない。通勤のストレスや慢性的な騒音にはほとんど適応しない(持続的にネガティブな影響)。一方、社会的な交流や新奇な体験にはゆっくりとしか適応しない。個人差が大きく、外向性が高い人はポジティブ事象への適応が遅い(幸福が持続しやすい)。ネガティブ事象については、予測可能性が高いほど適応が速い。また、自己決定感のある選択の結果には適応が遅く、強制された変化には適応が速い傾向がある。
参考文献 (2件)
- Brickman, P. & Campbell, D.T. (1971). Hedonic Relativism and Planning the Good Society. Adaptation-Level Theory: A Symposium (Academic Press).
- Brickman, P., Coates, D., & Janoff-Bulman, R. (1978). Lottery Winners and Accident Victims: Is Happiness Relative?. Journal of Personality and Social Psychology.
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