フレーミング効果と恋愛
Framing Effect
同じ情報でも提示の仕方(フレーム)によって判断や選択が変わる認知バイアス
4コマまんがで理解する「フレーミング効果」

定義
同一の客観的情報であっても、それが利得として提示されるか損失として提示されるかによって、人の選好や意思決定が系統的に変化する認知バイアス。
メカニズム
フレーミング効果はプロスペクト理論の価値関数から説明される。利得領域では価値関数が凹(リスク回避)、損失領域では凸(リスク追求)であるため、同じ情報でもフレームによって異なる領域の価値関数が適用される。また、感情ヒューリスティックの影響もあり、ポジティブなフレームはポジティブな感情を喚起し、その感情が判断の手がかりとして使われる。神経科学的には、扁桃体の活性化パターンがフレームによって異なることがDe Martino et al. (2006) により示されている。
代表的な実験
アジアの疾病問題
手続き: 600人が死亡する疫病への対策を2フレームで提示。利得フレーム:「200人助かる」vs「1/3の確率で600人助かる」。損失フレーム:「400人死ぬ」vs「1/3の確率で誰も死なない」
結果: 利得フレームでは72%が確実な選択肢を選び、損失フレームでは78%がリスクのある選択肢を選んだ。内容は同一だが選好が逆転した
Science, 211(4481), 453-458
フレーミングと扁桃体のfMRI研究
手続き: 金銭的ギャンブル課題で利得/損失フレームを操作しながら脳活動を測定
結果: 扁桃体の活性化がフレーミング効果の大きさと相関。フレームに影響されにくい被験者は前頭前皮質の活動が高かった
Science, 313(5787), 684-687
エビデンスの強さ
Kuhberger (1998) のメタ分析(230研究)では、フレーミング効果の効果量はd = 0.31。効果は安定して再現されるが、中程度の大きさ。リスク選択よりも評価・態度の文脈で効果が大きい傾向がある。
恋愛での活用パターン
パートナーへの要望
「○○してくれると嬉しい」と利得フレームでリクエストする
関係の振り返り
「今年できたこと」を先にリストアップしてから改善点を話し合う
自分の魅力の伝え方
弱みを「成長中の領域」としてフレーミングする
やりがちな間違い
ネガティブフレームでの不満表現
「あなたはいつも○○しない」と損失フレームで批判する
事実の歪曲
不都合な事実をフレーミングで隠蔽する
常にポジティブフレームのみ使う
深刻な問題も「大丈夫、ポジティブに考えよう」で済ませる
適用の限界
高い認知的関与(深く考える動機がある場合)ではフレーミング効果が弱まる。統計リテラシーの高い人、数的情報の処理に長けた人は影響を受けにくい。また、個人的に重要度の高い意思決定では効果が減衰するとの報告もあるが、完全には消失しない。
参考文献 (2件)
- Tversky, A. & Kahneman, D. (1981). The Framing of Decisions and the Psychology of Choice. Science.
- Tversky, A. & Kahneman, D. (1986). Rational Choice and the Framing of Decisions. Journal of Business.
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