二重配偶戦略と恋愛
Dual Mating Strategy
短期的な配偶と長期的な配偶で異なる基準・戦略が働くという進化心理学の理論
4コマまんがで理解する「二重配偶戦略」

定義
短期的配偶(遺伝的質・身体的魅力を重視)と長期的配偶(投資能力・コミットメント・親和性を重視)で異なる心理メカニズムと選好基準が作動するという進化心理学的理論。
メカニズム
代表的な実験
排卵期と配偶者選好のシフト
Proceedings of the Royal Society B, 267(1446), 985-988
戦略的多元主義の文化横断的検証
Behavioral and Brain Sciences, 28(2), 247-274
エビデンスの強さ
Gangestad & Thornhill (2000) の排卵期効果はd = 0.3〜0.5程度。Schmitt (2005) の48カ国研究では、短期的配偶戦略の採用率と病原体圧の相関がr = 0.31。ただし、排卵期の選好シフトについては近年の大規模追試で効果が小さいか非有意との報告もあり(Jones et al., 2018, N = 584)、議論が続いている。
恋愛での活用パターン
関係の目的の明確化
新しい出会いにおいて、自分が求めているのが短期的な関係か長期的パートナーシップかを正直に内省する
パートナーとの期待値の擦り合わせ
関係の早い段階で「何を求めているか」を率直に話し合う
ライフステージに応じた柔軟性
年齢・環境の変化に伴う自分の選好変化を自然なプロセスとして受容する
やりがちな間違い
浮気の正当化
「人間は進化的に一人のパートナーに満足しないようにできている」と不貞行為を正当化する
パートナーの過去の判断
「過去に短期的な関係をしていたから長期パートナーに向かない」と決めつける
性差の過度な一般化
「男は短期戦略、女は長期戦略」と性別で一律に決めつける
適用の限界
排卵期の選好シフトは再現性の議論が活発。経口避妊薬の使用で排卵周期関連の選好変動は消失する。愛着スタイル・養育環境・社会経済的地位が戦略の個人差に大きく影響する。同性愛者や非二項性の個人への適用は限定的。また、現代の避妊技術は短期的配偶の繁殖コストを大幅に変化させており、進化的予測の直接的適用には慎重さが必要。
参考文献 (2件)
- Gangestad, S.W. & Simpson, J.A. (2000). The Evolution of Human Mating: Trade-offs and Strategic Pluralism. Behavioral and Brain Sciences.
- Pillsworth, E.G. & Haselton, M.G. (2006). Women's Sexual Strategies: The Evolution of Long-Term Bonds and Extrapair Sex. Annual Review of Sex Research.
この理論をあなたの状況に当てはめてみよう
無料で恋愛相談する